2014年12月15日月曜日

教養の危機

新聞記事から

「文化支えた教養が危機に」という見出しで出版不況と大学改革についての話が出ていた。

全国の400軒以上の書店で「これが教養だ!」と題された文庫本のブックフェアが開催されている。「論語」「古事記」からニーチェ、フーコーまでいろとりどり。
企画したのは「チチカカコ」。5つの出版社から出ている学芸系の文庫(ちくま学芸文庫、中公文庫、角川ソフィア文庫、河出文庫、講談社学術文庫)の頭文字からとったネーミング。

日ごろはライバル関係にある5社が合同でこんな企画を打った背景にはちょっとした危機感があるようだ。つまり・・・。

このままでは教養が死んでしまう!

思想家の中沢新一氏の推薦文にその一端があらわれていよう。
「書物の世界にき危機がせまっている今、反知性の大国の進軍を押しとどめるべく、書物のための同盟が結成された。(略)彼らは愛する書物の危機を前に、知性を滅亡の危機から守ろうと決意した」

大げさに思われるだろうけれど、たしかに現在「反知性の大国の進軍」「書物の危機」と呼びたくなるような事態が進行中である。

ひとつは深刻な出版不況。
もうひとつは、大学の改革。かつては、「知の殿堂」であった大学が大きく変わりつつある。安倍政権の「教育再生」による「グローバル人材の育成」は、「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制の整備」に尽きる。大学の産業予備校化である。


と、こんな内容で、文芸評論家の斉藤美奈子氏の話がでていた。

確かに「教養」ということをあまり言わなくなったなと感じる。
そんなものより「もの」「金」なんだろうか。さみしい話だ。



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