2015年1月13日火曜日

議会初日

13日、平成26年第4回定例議会が開かれました。
本来は12月に行われるところですが、市長選挙があり、市長が変わったことから1月になったものです。

議案の上程、閉会中の所管事務調査の報告と何と言っても今日のメインは、市長の所信表明でした。
多くの市長支援者の方々が傍聴にみえていましたし、新聞記者もみえてました。

気負いなく、しかし、しっかりと決意を読み上げられました。
時折、老眼鏡を持ち出すなど、16年前の若さは見えませんが、その分、熟成された経験による確かな歩みを期待したいと思います。

所信表明は以下の通り。http://www.city.koga.fukuoka.jp/mayor/001.php


私は去る11月30日の古賀市長選挙におきまして、多くの市民の皆様の温かいご支援をいただき、これからの4年間古賀市政を担当させていただくことになりました。
改めてその責任の重さを痛感するとともに、市民の皆様の大きな期待と信頼に応えられるよう全力を注いでいく所存でございます。  
本日、市長として4年ぶり4期目を迎えるにあたり、今後の市政運営における私の所信の一端を述べさせていただき、市民の皆様、並びにご臨席の市議会議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。  

現在、古賀市では平成24年度に策定された第4次古賀市総合振興計画にもとづき、様々な取組が着々と進められています。市政運営は継続性も大切であり、必要と判断した施策については今後も継続して取り組んでまいります。
古賀市はこれまで先人の英知と努力によって発展を続け、「日本一住みたいまち」に一歩一歩近づいてきました。また一方では、人口減少や超高齢化など、直近に迫っている構造的な課題に立ち向かわなければなりません。「福津市や新宮町と比べて古賀市に元気がない」という市民の声も選挙中よく耳にしましたが、私は決してこれまでのまちづくりは近隣市町に引けを取っているとは考えていません。むしろ先んじて公共下水道や工業団地の誘致、古賀インターチェンジの設置などに取り組んだことは誇るべきまちづくりであったと確信しています。
今後は大きな開発を進めて市に活気を呼び戻そうという考え方もありますが、開発は自然との調和の中で行われるべきであり、JR古賀駅周辺や玄望園など、開発すべきところは開発を推進しますが、豊かな自然環境は守るべきだと考えます。まずは生活の安定を図り、心豊かに暮らせる街を創ることこそが古賀市の元気を創出することであり、最重要課題だと考えます。
 
次に私が考える今後のまちづくりの重点的な施策を申し上げます。

一、子育て支援について
子育て世代の多くは、厳しい社会・経済環境の中、子育て、教育及び将来に亘る年金・医療費の負担の中で不安な日々を送っていると思われます。そのような中、古賀市としては今後も待機児童ゼロを維持するとともに、就職活動中の保育や病児保育も可能にすることが真の子育て支援につながると考えます。
また、給食費の負担軽減も早急に検討すべきと考えます。 教育につきましても、これまで市の独自負担による先進的な取組を進めて参りましたが、小中学校へのエアコン設置検討等、名実ともに「教育立市」となるようさらに取組を進めてまいります。
また、水道料金の減額につきましても、コスト削減に取り組み、子育て世代に限らず広く市民に還元したいと考えています。

二、高齢社会の対応について
日本人の平均寿命は更に伸びて、女性86歳、男性80歳となっており、それ自体素晴らしいことだと思います。しかしその一方では子や孫への負担や、健康などを心配して長生きすることを素直に喜べない高齢者も増えているように感じます。
そこで、これからの高齢者はこれまで以上に健康寿命を伸ばしてもらい、生涯現役で社会貢献を続けてもらうことが大事です。健康づくりについてはこれまでもさまざまな取組がなされており、さらなる推進を図っていきます。高齢者が社会貢献を続けていくためには、長年の人生で培った知識と経験を生かし就職などの社会参画ができるよう、受け入れ側の要望も取り入れた制度設計が必要です。市内には75歳定年の企業もあれば、高齢者の雇用に理解を示される経営者もおられます。この働きたい人と働いてもらいたい人をつないでいくことが行政の役割だと考えます。
また、高齢者は“外出する”ことが老化防止につながるといわれておりますので、市内路線バスの料金を70歳以上の高齢者については一律100円とし、外出や社会貢献などができやすいようにします。

三、豊かな自然と美しい街並みについて 
古賀市の「うみ、まち、さと、やま」へと連なる豊かな自然は市民全体の宝であり、この宝を我々は未来に引き継ぐ責務があります。森林や河川、白砂青松の海岸を守る為には、ボランティアの協力もいただきながら行政としても更なる取組が必要です。
また、美しい田園風景は農家によって守られています。しかしながら現状は農業で充分な収益を確保できないまま、後継者不足や耕作放棄地の増加を招いています。農業を守ることは自然を守ることにつながっています。農家の主体的な取組に加えて、市民の協力と行政の支援策が求められています。
また、豊かな自然とあわせて、美しい街並みも創り上げていきたいと思います。美しい街はそこに住む人が愛し、誇りに思い、健康の増進、犯罪の防止にも役立つと言われています。これまで景観基本計画(美しいまちづくりプラン)が策定されておりますが、これを更に発展させ景観条例の制定をめざします。

四、資源循環型まちづくりについて
豊かな自然を守るためには、限りある資源を有効利用し環境負荷を減らすことも必要です。そのような中、古賀清掃工場は8年後に契約期限を控えて今後のあり方を考える中、将来の技術的発展も見据えバイオマス発電等脱焼却への検討に鋭意取り組みます。  
バイオマス発電には、本市の特色である食料品製造業の立地を生かしその廃棄物や、古賀水再生センターの汚泥等を活用する研究を進めます。そのことが福岡食品加工団地等関連企業に対する支援にもなると考えています。

五、古賀市の地理的特性について  
私は開発一辺倒という考えには賛成できませんが、自然と調和した中で開発すべきところは開発していきたいと思います。  
まずは古賀駅周辺の再開発は平成26年度に基本構想策定の予算措置がなされており、その流れに沿って検討したいと考えています。  
また古賀市は古くから交通の要衝であり、高速道路のインターチェンジとサービスエリアが設置されていますが、そのメリットは充分に生かしきれていません。その周辺は工業、流通系の企業に適した土地として段階的に活用を図っていくことが望ましいと考えています。今後、国、県、民間等と協議を重ねていきたいと思います。

六、小さな政府について  
私は国も地方自治体も「小さな政府」をめざすべきだと考えます。「地方でできることは地方に、民間でできることは民間にやってもらう」ことが、お金を一番効果的に使うことにつながります。国全体が借金であえいでいる今、早急に取り組むべき課題です。  
これまで保育所の民営化など多くの公共事業を民間に移管してきましたし、今後も民間でできることは民間にやっていただきたいと思います。一方で、行政にしかできない仕事はきちんと職員を配置し、市民の皆様のご要望に応えてまいります。

以上が、今後私が取り組む市政運営の重点的な施策でございます。
16年前に掲げました「日本一住みたいまちづくり」の想いは今も強く持ち続けております。
古賀に住む人々が「このまちは住み良い」と実感し、心豊かに暮らすことができれば、おのずから人も集まり人口も増えるでしょう。「近き者悦べば遠き者来たる」です。
私は今一度初心に帰ってそのようなまちづくりに全力で取り組む覚悟であります。その為には、市民、議会、及び職員の皆様のご協力が必要です。
議員各位におかれましても、今後、益々のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、所信表明とさせていただきます。ありがとうございました。
 
平成27年1月13日 古賀市長 中村 隆象
 
 

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